趣意書

(社)日本空手協会関係大学OB会設立について

故船越義珍翁が唐手術を空手道に改名(昭和四年)されて五十六年、日本空手協会が創立(昭和二十三年)されて三十七年、四谷道場が開設(昭和三十年)されて三十年、 社団法人、日本空手協会の認可(昭和三十三年)を受けて約三十年の歳月が流れました。

此の間大学の空手道部で五条の教えの基に修業を積み、社会の各分野で活躍中の諸氏は大変なもので、掛けられている期待は云い尽くせない程大きいものがあります。

昭和六十年九月二十八、二十九両日に協会設立三十周年を記念して、『第一回松濤杯争奪戦』を開催し御陰様で盛会裡に終了しました。

これと呼応するように各大学OB会で記念総会が盛大に開かれて居り、歴史の重さをひしひしと感じている今日この頃であります。

船越義珍翁の遺訓に
『空手は君主の武道であり、修行は一生である。道場のみの空手と思うな』との一節があります。

我々の空手道は人間性の向上を計る精神文明上の哲学であります。ややもすると物質文明のみが異常発展している現在、大学の空手道で修行を積み、卒業後もこの哲学を 磨きながら各界で御活躍中の諸氏が集い、自ら積極的に企画工夫され、親睦、提携、連帯、協力の輪を広げ強固な絆を築かれる事は大変意義深い事であります。不省、私共も四谷道場の往時に思いを馳せ、この「日本空手協会関係大学OB会」の創立と発展に微力を捧げる所存であります。是非御入会される様お願い致します。

社団法人日本空手協会 理事 常任相談役 高木 正朝
理事 主席師範  中山 正敏
専務理事  伊藤 公夫



先生方より御話を頂く今日迄放念していた事を深く恥じいる次第であります。これを機会に大いにお互いの親睦を深め、一層の自己研鑚に励むべく拙速ではございますが別紙会則 (案)を準備しました。御一読の上後意見を賜り、賛同頂きます様ご案内申しあげます。賛同賜りましたら、同封の返信用葉書に意見等を添えて事務局へ御送り下さい。

尚、初年度は発起人の互選により、千葉工業大学OB会を幹事OB会、駒澤大学OB会を副幹事大学OB会、防衛大学校OB会を会計監査大学OB会と致しますので併せて よろしくお願い申し上げます。

昭和六十一年二月

発起人一同

大学OB会々長殿

発起人 千葉工業大学OB会々長 溝辺 哲男
駒澤大学OB会々長 山本 慧彊
工学院大学OB会名誉会長 安井 通八
青山学院大学OB会々長 猿田 孝夫
防衛大学校OB会々長 田中 憲明
以 上